完全秘密主義恋愛♥
少し沈黙があってから、安藤が口を開く。
「お前さ……もしかして山根のことまだ好きなんじゃねぇの?」
「……は……?」
顔を上げて安藤を真っ直ぐ見る。
真剣な顔の安藤がそこにいた。
何で……そんなこと言うの。
安藤が急に遠い存在になった気がした。
「何かさ、よく言うじゃん。『好きなやつについキツく当たってしまう』とかさ…」
残酷なセリフを言う安藤の顔は、
あたしには何故か
哀しそうに見えた。