完全秘密主義恋愛♥
ーーー違う。
安藤の顔を真っ直ぐ見ながら考える。
全然、そんな感じじゃない。
これだけは自信を持って言える。
あたしは山根のことが好きなんじゃない。
「……違う。あたしは山根のことが好きなんじゃない。」
真っ直ぐ前を向いて言葉を吐き出した。
安藤が続きを促すようにあたしを見る。
あたしは考える。
『好き』ではないなら、何なのか。
そもそも、この苛立ちは誰に対してなのか?
山根は別れたあたしにアド変メールをよこした。
さっき、『メールする』と言った。
それらの山根の所作は、見方によっては…自意識過剰だけど、あたしへの『好意の表れ』ととれる。
それはあたしにとって……
鬱陶しくもあり……
こそばゆく、嬉しくもある……。