完全秘密主義恋愛♥




「あとで休憩のときにでも宝と買って食べたら?」



戸梶さんが『しょうがないなぁ』という顔で言った。




「よっ!」
「うわぁ!?」



突然、目の前に焼きそばが現れた。


香しい焼きそばらしい匂いがあたしに空腹の音をあげさせる。



って待て待て今『よっ!』って聞こえたし。



「ふっふーん♪いいでしょー」


振り返ると、宝が焼きそばをもって不敵な笑みを浮かべていた。



「まー!改めて、やっぱり宝はレベルが高いね!」

「やっぱりカッコいいー!!」


宣伝の人たちが宝を見て通算67回目ともなりそうな賛辞の声をあげた。



「あら、ありがとう」


宝は満更でもないような顔で長い前髪をかきあげて笑った。



そのしぐさに見ているみんなはまた惚れ惚れとして溜め息をもらす。




むむむ…やっぱり宝はモデルになれると思うわ。



あたしは宝の全身を改めて見た。








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