完全秘密主義恋愛♥
いつもはおろしっばなしの長い黒髪を、文化祭ではショート茶髪のゆるパーマのウィッグをつけて隠している。
耳にはイヤリングタイプの大きなピアスみたいなのをつけている。
トップスはミディアムブルーのドルマンスリーブ。
アクセントに、細いチェーンのポイントに二つのハートのネックレス。
ボトムはデニムのサブリナパンツ。
まるで雑誌からそのまま出てきたような姿だ。
「宝の写真集とか作りたいね」
腕を組んで今度はあたしが不敵な笑みをもらした。
「へ」
宝は半口開けてあたしを見る。
ぷ。おもしろーい超レアレア。
「あぁ、いいね!誰かカメラ持ってない?」
みんなも調子に乗ってやる気になる。
「えええちょっと待ってよみんなぁ!」
必死に助けを求める宝の顔も面白い。これも写真に納めたいね。
お、そういえば。
「確か宝のお父さんとお母さん来てたよねぇ??」
あたしはニヤリと笑みをこぼした。
宝の目が大きく開かれる。
「まさかーー」
「宝のお父さんとお母さんにカメラ借りてくるねー!」
あたしは手をひらひら振って走り出した。
後ろから宝の「瑆乃のばかぁぁ!」と叫んでいるのが聞こえた。
ふん。宝にバカ呼ばわりされたくないね。