完全秘密主義恋愛♥
「たーから!」
不意打ちで後ろから羽交い締めにされている宝を呼ぶと、素直に顔をこちらに向けた。
その隙にすかさずシャッターを切った。
「あは♪借りて来たよ」
ニヤッと笑うと宝は不満顔で抗議し始めた。
「ねえ、あたしだけ撮られるのはヤダ!!みんな撮るならいいけどさ!」
口を尖らせて宝は憤慨する。
「めんどくせーし、もうみんな撮れば?」
安藤が呆れ顔をして腕を組んだ。ずいぶんどうでも良さそうな顔をされていらっしゃる。
何かすいません。
あたしは心の中でつい謝罪した。
すると、みんな顔を見合わせ言い合った。
「そだねー。記念にみんな撮ろっかー。」
「うん。」
あたしはカメラを構えてクラスの子たちをレンズに映した。
「じゃ、撮るよー。はい、チーズ」
いつもとは違った雰囲気の装いに身を包んだ彼らは、とても輝いていて楽しそうだった。
笑顔の数だけ、シャッターを切る。