完全秘密主義恋愛♥
横で安藤がケラケラあたしの顔を指して笑っている。
人を指すな人を。
あたしはため息を吐いて階段を登っていった。
「この石からあの石まで、目をつぶって歩いていけたら、恋愛が成就すると云われているんですよ」
秋田さんが楽しそうに、穏やかな声で言った。
あたしたちの足元に、地面から膝くらいまでの高さの石があった。
その5mくらい離れた直線上にまた同じくらいの大きさの石がある。
「やってみます?」
秋田さんはニコッと笑ってあたしとナッキーに向かって言った。
ナッキーは「えー」と、躊躇しているみたいだった。
あたしもそんな人目を引くような恥ずかしいことはしたくなかったから、曖昧に笑った。
「はい、じゃあ目をつぶって」
秋田さんはあたしに言った。
はい?