完全秘密主義恋愛♥
ナッキーはため息を吐いて言った。
「じゃあ、買うから付いて来てくれない?」
「うん、もちろん」
男子使い物にならないしね。股の間に付いてるアレは飾りモノかしらねってあらやだあたしったら汚い言葉。
それから、ナッキーは女の人がいっぱい並んでいる小屋みたいなののところで、御守りを無事買うことができた。
ナッキーはそれを愛おしそうに眺めたあと、大事に鞄に入れた。
あたしはドキッとした。
これが、恋をする女の子の顔なんだ。
気になる、なんて生ぬるい感情なんかじゃなくて
本気の、恋。
あたしはきっと、安藤のことを想ってもこんな表情はしてない。
ポツポツと、低く分厚いどんよりした雲から雨が降ってきた。
だんだん雨足がひどくなっていく。