完全秘密主義恋愛♥
「あぁ、やっぱり。そろそろ降ると思ってたんですよ。急いで屋根のある方へ行きましょう。」
秋田さんがあたしたちに言った。
あたしたちは神社を出て、舞台の方へ走った。
安藤は我先にとバスケ部の脚力をフル可動させてさっさか走って行ってしまった。
山根くんはあたしたち女子を気にかけながら少し手加減して走ってくれた。
クソ安藤め。あとで蹴ってやる。
あたしは遠くに行ってしまった安藤を睨みながら走った。
ザアアアッと雨が京都の市内を包む。
この激しさは通り雨かなー。
あたしは屋根の下から空を見上げた。
「あーあやだやだ。傘はあるけどこれじゃあ歩きにくいし見晴らし悪いし。サイアクー」
ナッキーはタオルで濡れた服や髪を拭きながら言った。
あたしは後ろから安藤のケツを蹴り上げた。
「ッテェエ!!何すんだよ高瀬ェ!!」
安藤は悲痛な叫びをあげながらあたしを振り返って抗議した。