完全秘密主義恋愛♥
あたしはフンと安藤を軽く睨んで言った。
「自分だけさっさか行くんじゃないよこの人でなしが」
「人でなしはどっちかよイッテェな!!」
安藤は目に薄っすら涙をうかべている。
そんな泣くほど強く蹴り上げたつもりはないんだけど。
「ふふっ、瑆乃ってばどんだけ力強いの」
ナッキーがあたしと安藤を見ながら笑った。
「ち、ちがっ!あたしが強いんじゃなくて安藤のケツ筋が弱いんだってば!」
「ケ、ケツ筋……っ」
山根くんがクックッと喉で笑う。
「ケツ筋なんか鍛えてるわけねーだろフツー!」
安藤は少し赤くなりながら反駁した。
「知らんわそんなこと。ちょっとは女子や秋田さんのことも考えて行動してよね」
あたしがビシッと言うと、安藤はバツが悪そうにゴメン、と言った。