完全秘密主義恋愛♥
「分かったならよし。」
あたしは仁王立ちして言った。
「なんか瑆乃ってお母さんみたーい」
ナッキーがなお髪を拭きながら言った。
「ほんと。今も母さんに怒られよるとき並みに怖かった。」
安藤がふぅっと息を吐いて言った。
グサッ。
あたしってそんなに怖い?
っていうかお母さんて。
「そんなことないよ、高瀬さん。今のは安藤が悪かったんだし」
山根くんがフォローしてくれた。
なんて優しい人なんでしょう。
「そう?ありがとう山根くん」
あたしは苦笑いした。
山根くんは、はっと息をのみ、あたしを見つめた。
「……高瀬…さん。ちょっと、いい?」
雨の音があたしの周りだけ消えた。