完全秘密主義恋愛♥
胸の奥がくすぐったくて熱い。
あたしのどこが好きなの。
いつから好きなの。
好きだから、なに。
そんな言葉にならない思いが少し開いた口から音のない空気になって漏れるだけだった。
「好き…だから、山根くんはどうしたいの?」
あたしは慎重に訊いた。
山根くんはちょっと焦ったような顔をした。
「え、あっそっか!
……好きだから、俺と付き合って下さい」
あたしはこのとき一人、『これがいわゆるカレカノになるときの盟約の会話か…』と、納得していた。
チラ、と安藤の方を見た。
見なければ良かったと思った。