完全秘密主義恋愛♥
教室内は賛成の空気が漂った。
みんなワクワクしているみたい。
「んーいいな。そうだ、借りたりしたら金かかるから出来るだけみんなが持ってるものとかタダで借りれるものとかがいいんだけど」
誰か借りれない?と安藤が投げかけると、何人か手を上げた。
「あたし親の知り合いにコーヒー豆挽くやつ持ってる人がいるから、頼めば貸してくれると思う」
へえ、そんなお洒落なもの持ってる人って本当にいるんだー。
「俺、美味しい茶葉売ってるところ知ってるよ」
ホントに文化祭みたいだー。
あたしは能天気に、活発になってきた話し合いの風景を見ていた。
「……よし、じゃあ田中と谷原はメニュー関係のリーダーな。頼んだ」
そう安藤に任命された田中くんと谷原さんは、はーいと返事をした。
安藤は黒板に汚い字で『メニュー関係リーダー→田中、谷原』と書いた。
さっきの達筆な字はどこ行った。
「じゃあ、あと衣装と、内装のリーダー決めたいんだけど。誰か指名してー」
という感じで意外にも順調に話し合いは進んでいった。
意外な一面、か…?
ナッキーは知ってるかな、安藤が意外にもリーダーシップとれる奴だって。
知らなかったらちょっと優越感。
あたしは勝手に気分が上がった。