完全秘密主義恋愛♥
「瑆乃はどこのグループに行く?」
宝が後ろからあたしの髪を触りながら言った。
「うーん、料理はあんまり得意じゃないし…服のセンスもないし…唯一邪魔にならなくて、かつ役立てそうな内装グループにしようかなー」
「何その妙に冷静な自己分析は。まあ、そうね。瑆乃は一番それが合ってると思うよ。あたしは衣装グループにするから」
「そうかーい」
やっぱりいつも通り別々な選択。
「ちなみにどういうところで役立てそうなの?」
「えー?あたしって力ある方だと思うし。それならみんなの邪魔にならないでしょ?」
数学係のおかげで筋肉ついたし?とあたしは宝に上腕二頭筋の小さな力こぶを見せた。
宝は、馬鹿馬鹿しいとばかりに肩をすくめてため息を吐いた。
「あ、今呆れたでしょー。『何この単細胞』って」
「あら、よくお解りで」
何やとー!?とあたしはふざけて宝に掴みかかったところ安藤に「そこうるさい」といなされる。
「じゃあグループ別に話し合ってください」
安藤はそう言うと、教壇から下りた。
意外にしっかりしてんだー、とまた感心して安藤を見ていたらバッチリ安藤と目があってしまった。
かあッと体が熱くなる。
「…安藤は、グループどこ?」
いまの、不自然じゃなかっただろうか。
今まで気にしなかったことが急に不安になって変に緊張する。