完全秘密主義恋愛♥
つかの間の虹
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ーー

「いやー、間に合いそうで良かったー」

あたしは水道で手を洗いながら呟いた。

「それ独り言?」

背後から最近聞き慣れない高い声が。

振り向くと、ナッキーでした(“雪国”に)。

「えッ、いや、あーと……うん、独り言」

恥ずかしいよあたし。独り言デカっ。


「…なんかそっちのクラス、すごいみたいね」

ナッキーが自分の結ってある髪をサラッと払って言った。

「うん、何か結構まとまってていい感じになりそうなんだ」

えへへ、とあたしが笑うとナッキーの唇の頭がチョンと尖がった。

不機嫌になったときのナッキーの癖だ。

えー……何でそこ不機嫌になるー?


「ま、でも優勝するのはあたしのクラスだけど?」

「アハハ…」

「じゃ、あたし帰るね」


ナッキーはウフッと笑うと足どり軽く去って行った。


なんか…ダル……。


もしかしてあたしナッキー苦手??


あたしは去年のナッキーとの会話の数々を思い出した。


……うん、たぶんそうだ。

気ぃ強いし機嫌損ねるとめんどくさいから結構気ぃ遣ってたかも……。


……悪い人ではないんだろうけどなあ……。


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