完全秘密主義恋愛♥


なんだかナッキーを自分がどう思っているのか自覚したら、すごく腑に落ちた気がした。


そっか…苦手なのかぁ…。

そうかー……。

「あ、いたいた。瑆乃ー」


宝が教室から出てきてあたしの方に来た。


「んー?」


「今日さ、あたしん家に泊まりにおいでよ」


「えっ、何で??」

明日文化祭の本番じゃん。

「明日のための下準備というか何というか…」


珍しく宝は歯切れ悪い物言いだ。

どうしたんだろう。


「えーでも急にお邪魔しても大丈夫なの?」

「あぁ、その心配はいらないわよ。お父さんもお母さんも大歓迎してくれるわ。2人とも瑆乃のこと大スキだからねー」


あたしと宝は中学からの付き合いで、何度もお互いの親には会ってて、お互いに随分気に入られているんだよね。


「んーじゃあ…お邪魔しようかなぁ。一応親に聞いてみるね」

最近お会いしてなかったから久しぶりにいいかも。うん。

「うん、そうしてー」


そう言うと、宝はさっさと教室に入った。


…下準備って、何だろう。



あたしは手の水をピッピッと落としてから教室に入った。


ーーーーー
ーー
< 82 / 147 >

この作品をシェア

pagetop