完全秘密主義恋愛♥


リビングに入ると、美味しそうな匂いがした。


「あーいい匂い」

何の匂いかなぁ…。

クンクン、と匂いを吸ってはハア…と幸せな気分になった。(←下品)

「お母さん、晩ごはん何ー?」

宝が台所に行きながら聞いた。

「ん?ハンバーグよー。こっちはもう出来たから瑆乃ちゃんはテーブルについてていいわよ。宝はコレ持ってって」


ハンバーグ!!

やったー!!♪


大人しくテーブルにつくと、宝と宝のお母さんが、鮮やかな盛り付けが施された少し大きめの皿と、湯気が上がるツヤツヤした白いお米が盛られたお椀を人数分持って来た。


「スープもあるわよー」

スープまで!!

キャー!美味しそう!!

思わず頬が緩む。

「瑆乃ちゃんはよく食べるって聞いたからいっぱい作ったのよ。遠慮せずにたっくさん食べてね」

そう言って宝のお母さんは微笑んだ。

うっ…いいお母さまだ…!!

「ありがとうございます!!じゃあ遠慮なく!」


いただきます、と3人で言うとあたしはもの凄い勢いでご飯にありついた。


「ん~!!美味し~い!」

飲み込むのが勿体なくてじっくり口の中で味を堪能する。

宝のお母さんはそんなあたしを見て微笑んだ。


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