幸せになりたい。
はじまり
「はい、じゃあ10分休憩ー」
20人入ればいっぱいの
小さな教室が一気に騒がしくなる
「ねっちえ!
さっきの問題解けた?」
「無理〜あたしには無理〜
あんなん解けるのこのクラスにはいないっしょ!」
普段の塾の光景。
あたしがいるレギュラークラス
は偏差値55以下の寄せ集め。
その時バーンと大きな音を
立てて入ってきた男の子。
「さあちゃん、アレだれ?先輩?」
「違うよー。ちえ知らないの?
ハイレベルクラスの高田くん」
その時"高田くん"はこっちを
ちらっと見ただけだったけど。
かっこいい………
あたしはその日から
塾で見かけると
目で追うようになってたんだ。