恋愛模様
★第1章★
スカートは膝の高さって書いてあります
―桃side―
『やはり落ち着きますぅ〜…』
そう言いながら私は窓の近くの席に腰を下ろし、ページ数1000は確実に越えてるであろう分厚い本を開いた
今、私がハマっている本
【桃色雪色】
過去の恋愛を引きずっている主人公の男の子が、明るくて元気な女の子に出会う事で冷えきった心が溶かされ、恋に落ちていく物語
今は723ページ目
男の子が女の子に告白するいいシーン……
朝から読んでいたんですが、このシーンだけはここで読みたかったんです
静かに流れるこの時間の中で読みたかったですから
クラスで読むのもいいですが、少し騒がしいクラスなもので放課後のこの時間を今日1日楽しみに過ごしてたんです
図書室……放課後も開放してるのに生徒はなかなか現れず、ほとんど私の貸し切り状態……
まぁ、それはそれで…とても嬉しい事ですが
私は再び本に視線を下ろしてゆっくりと物語の世界に入った
いえ――…入ろうとしました
『こらぁ!待たんか!!』
突如聞こえた声に、私は思わず顔を上げる
この声は体育教諭の西先生??
一体何があったんでしょうか……???
私は徐に席を立ち上がり、図書室の扉に向かって歩いていった
――運命の歯車が
――――ゆっくりと回り始めた