恋愛模様
私はまだベラベラと桐風くん情報を話す莉胡を前に、ノートに目を向けて莉胡の数学のノートを写す
いつ見ても分かりやすいノートです
『ちょっと聞いてんの?』
『桃ちゃん』
え………?
私は誰かに呼ばれ、素直に下を向いていた頭を上に上げた
莉胡は口を開けてポカーンとした表情を浮かべている
『桐風くん……?』
私が首を傾げながら名前を呼ぶと、桐風くんはニッコリと笑ってポケットから徐に何かを取り出した
それを私の机の上に置く
『………アメ?』
手に取ってよく見てみれば「とろ甘イチゴキャンディー」と可愛らしい文字が書かれた包装紙に包まれたアメの様だ
訳が分からず桐風くんを見上げると笑顔で「あげる」と言われた
『ありがとう……ございます』
私が頭を下げてお礼を言えば、桐風くんは「食べてね」と言って去っていった
………一体何なんでしょうか?
このアメと同じ物を……私も持っているんですが……
私は手の平の上にあるアメを見下ろして思った