恋愛模様
真剣な顔つきで俺が陸哉に言い切ると、陸哉は心底驚いた顔をした
『馬鹿かッ!!大会で優勝したければ学校一の美女をモデルにするだろ!!!普通!!!』
俺は急に声を荒げた陸哉を落ち着かせる
陸哉が言いたい事も分かる
今回の大会はただの大会ではない
全国から代表選手が腕を振るって参加する
優勝候補と言われてる俺は生半可な気持ちで大会に臨むわけにはいかない
その為には美女をメイクした方が、元の顔がキレイだから優勝しやすいのだ
だけど……
『俺は…決めたから』
『本気か?』
信じられないとでも言いそうな陸哉に俺は少しムッとする
………分かってない
確かに地味な格好をしているけど、桃ちゃんには輝ける要素がある
後は……どれだけ腕のいい奴がメイクするか……だけ
『桃ちゃんは可愛くなるよ』
『そんなもんかね?』
まだ信じてない陸哉を自分の席に帰す
その瞬間、先生が入ってきた
長い間…陸哉と話していた気がすると思っていたら
先生が遅刻してきたらしい
俺は窓から東塔を見つめて授業を適当にやり過ごした