恋愛模様
莉胡は「まぁ…確かにね」と言葉を漏らして私の頭を撫でる
私が不思議がって首を傾げると、莉胡がそんな私の様子を見てクスッと笑った
『私が信じるのは桃だけだから他の人は信じられないのかもね』
『莉胡……』
『それじゃ部活に行ってきまーす!』
莉胡はそう呟くと颯爽と教室を出ていった
夕日に照らされた放課後の教室に私だけが残る
いつの間にか他の人達は帰ってたみたいです
さっき言葉を漏らした後、すぐに莉胡は教室から出ていったけど………
『……悲しそうな顔…してました……』
莉胡はいつも笑顔を絶やさずに…クラスの人気者で悩みなんか無い様に見える……
だけど莉胡も人間……
……忘れたい過去ぐらいある
『莉胡はまだ引きずってるんでしょうか……』
誰も居ない教室で独り言の様に私は呟く
莉胡の過去……
知ってるからこそ…あんな顔しないでほしい
私の1番の友達だから…幸せに笑っててほしい
私は、ふと時計を見る
『あ!桐風くんとの約束!!』
私は自分の荷物を持って、急いで東塔へと向かった