水色のエプロン
家族を亡くすということはとても辛いことだった。
犬だって、私たち人間の立派な家族なのだから。
ネオは、私に心の声を聞かせてくれた。
私に沢山のことを教えてくれた。今日が今日しかないことを。一つの小さな命の大切さを。一期一会の精神を、全ての出会いの大切さを。そして沢山のやさしさを私に与えてくれた。
今度は私がネオをいっぱいの優しさで送る番。
そしてもう一つ、フレディーや他の友達が教えてくれた大切なこと、私は一生忘れない。
私はプロのトリマーだ。もう、見習いなんて呼ばせない。
トリミング台の前に立てば、プロも見習いも関係ない。今、私はそう思う。誠心誠意をつくすこと。それが後悔の無い、誇れる仕事をするということだから。
そして、私はこう思う、それが私の使命だと。
きっと私の手ならできる、一人でも多くのワンちゃんと、その飼い主さんを幸せにしてあげること。健やかに、そして美しく。もしも、ワンちゃんとの生活の中で、困ったことや、迷ったことがあれば、なんでも聞いて欲しい。私たちトリマーは、ワンちゃんと飼い主さんの気持ちをつなぐ架け橋なのだから。