水色のエプロン
「キャンディーちゃんとってもおりこうにしてくれましたよ。咬む理由についてなんですが、多分ストレスがたまっていたからなのではないかっと思います。お出かけの際はいつもキャンディーちゃんをゲージの中に入れられてるんですか?」
「えぇ、いたずらをしないように、いつもゲージに水入れだけを入れて、中に入れて会社に出勤するんです。私一人暮らしなので・・・。外に出しっぱなしにしておくと、いたずらされそうで・・・。」
 さっきキャンディーが言っていたことと同じだった。
「そうですかぁ。確かにゲージの外に出しっぱなしでお出かけしたり、ゲージの中に入れておいても何かを入れて、いたずらされちゃったらと思うと、お出かけしている間中、心配になることもありますよね。だけど、人間だって家で一人でいるときテレビも見れない、音楽も聴けない、何もできないって環境にずっとされていたらストレスがたまっちゃうことありますよね。ワンちゃんもそれと同じなんです。ストレスが溜まって神経質になるのを防ぐことが必要なんです。キャンディーちゃんのストレスを何かで発散させてあげなくっちゃ。」
 そこまで言って私はさっきキャンディーが振り回して遊んでいたおもちゃを小林さんに見せた。
「これ、さっきっキャンディーちゃんに見せたらすっごく気に入ってずっと離さなかったんです。これは犬用のおもちゃで壊れにくく、咬むことで歯の汚れを落としたり、同時に遊んでストレスの発散になるんですよ。こういうワンちゃん専用のおもちゃも一緒に入れておいてあげたら。キャンディーちゃんきっと喜ぶと思いますよ。」
 私がそう言うと小林さんは、私の手からおもちゃを取りじっくりとそれを見つめた。
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