水色のエプロン
とにかくロビンはスムースコート。
「毛がとっても短いからすぐに乾きそうね。」
 簡単に終わっちゃうわ。私は心の中でそう思った。爪きりをして、耳掃除をして。脚の裏の邪魔な毛を取り除き。シャンプーをした。ロビンはとってもおりこうで、何をしてもおとなしい。
「ロビン。本当におりこうね。」
 タオルで体を拭いて、ドライヤーのスイッチを入れる。
私はキャスターからブラシを取り出して、ロビンの背中をゆっくりとなでた。ドライヤーを当てながら。
「なかなか、乾かない・・・。」
 短毛主は、毛が短い分、長いコートを保持する犬よりも密毛なことが多い。つまり、毛量が多いということ。見かけによらず、毛の内側を乾かすのに時間がかかった。
「ロビンのお母さんと、お父さんは何の種類のワンちゃんだったのかしら・・・。」
 私は、優しくロビンの背中をブラッシングしながら。つぶやいた。
「僕のお父さんは、コーギー。お母さんは短い毛のダックスフンドだよ。」
 その突然の言葉に私はブラシを落っことしてしまいそうになった。
「ロビンまで、人の言葉が話せるなんて・・・。」
 私は中腰になり、トリミングテーブルに立つロビンの目の高さと自分の瞳の高さを合わせた。
「ありがとう。教えてくれて。」
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