水色のエプロン
ありがとうロビン。
 ロビンは野崎さんに抱かれ、肩越しにチラリと私の目を見た。
「きっとまたあえる日は、もっと仲良くなれるから。」
 お店に戻ると、フレディーがこっちを見て微笑んだ。
「ロビンの母ちゃんと、父ちゃんはコーギーとダックスだったのか。初めて聞いたぜ。」
「ロビンはフレディーにもお話した事なかったの?なのに、私にロビンは教えてくれたのね。」
「あいつは、いつも無口だから。」
 始めて私とお話をしてくれた。そのことを知ってなんだかとてもうれしい気分になった。
「カルテに今日のことを書き込まなきゃ。」
 小太郎、キャンディー、そしてロビン。今日のカット内容、気付いたことをカルテに書き込む。
小太郎、抜け毛が沢山抜けたこと、よくブラッシングをしたこと。
キャンディー、爪きりが少しずつ慣れてきたこと。お尻を丸くカットしたこと。
ロビン、ロビンのカルテの詳細の欄には、コーギーとスムースダックスのMIXということも書き込んでおいた。
「今日の予約はロビンが最後ね。明日の予約の確認をしておこうかしら。」
 私はレジのカウンターにおいてある予約表を確認した。

十時から、佐藤ポアロ(シュナウザー)シャンプー、カット
一時から、吉野マーフィー(マルチーズ)シャンプー、カット
三時半から、小沢モモ(フレンチブルドック)シャンプー

「カット犬が二頭も入ってるわ。マルチーズはいつも家のネオで練習しているからいいけど・・・。シュナウザーのカットなんて・・・。自信ない。」
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