水色のエプロン

シュナウザーは耳の中の毛が沢山生えている子が多い、耳の毛を抜くことは、耳の中の通気性をよくして、耳の病気を予防するのも大切なことだ。
「かしこまりました。確りお掃除しておきます。」
「迎えの時間なんだけど、ちょっと出かけるから、一時過ぎになるけど大丈夫？」
　今が十時丁度だから、三時間、三時間あればきっと大丈夫だ、店長ならきっと一時間半から二時間の間で仕上げてしまうだろうけど。
　それにどちらにせよ、今日二番目のお客さんの予約は一時に来店の予定だ。
「大丈夫です。それまでには仕上げておきますので。ポアロちゃんお預かりいたします。」
　佐藤さんは、にっこりと微笑んで、ポアロを私に預けお店を跡にした。
「ポアロ。頑張ってトリミングしようね。」
　ポアロはなんだか生意気な顔をして私を見上げた。

「君に僕の精悍なシュナウザーカットができるのかい？カッコ悪くしたりしないでくれよ。」
　ドキッとした。だって心を見向かれたみたいで。
「大丈夫、ちゃんと勉強して来てるからって･･･。え？またポアロも口を聞けるの？なに？このお店でトリミングをする子はみんな人の言葉が話せるの？家のネオは言葉が話せなかったのに･･･。」
「何をぶつぶついってるの？トリミングって案外やられる方も疲れるんだ、ずっと立ってなきゃいけなし、毛玉があれば引っ張られて痛いし･･･。」
「ごめん、ごめん。わかったわ。今日は毛玉ができていないことを祈るわ。」