君ノ声




…んだよ。



それならそうと先にこうして教えてくれれば良かったのにと思った。



そうと知っていれば、強行突破なんて考えなかったのに。



必要のなかったことでイラついてしまった。



俺は文字を見下ろしてため息を1つ。



「…先に教えろ」



そう小さくボソっと呟くと、女は再びペンをボードに走らせた。



そして申し訳なさそうにボードを俺に見せる。



【ごめんなさい】



ボードに書かれた小さな文字。



今度の文字はさっきとは間逆といえるだろうほど綺麗な字で驚いた。



格好から見て予想ができたことだったのに、まさかそこまでとは思っていなかった。




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