君ノ声
俺の視線をビビリながら上目遣いで受け取ると、再びペンを動かす。
そして俺の機嫌でも伺うかのように、チラっと見上げながらボードをひっくり返した。
【だからもう少し待ってください】
今更ながら、俺のことを相当ヤバイ奴だと思ったんだろう。
機嫌を伺うような瞳。
そして敬語。
まぁ所詮そんなものか、なんて何度も思ったことを再び思いながら、俺は水道の横――――裏扉の前の段差に腰掛けて、女の友達とやらが出てくるのを待つことにした。
だが違った。
「………」
固まった。
真横に座った女。
手にはボード。
クルリとひっくり返す。