君ノ声
ジーっと見つめるような視線を真横から感じる。
それでも俺は無視し続けた。
関わる気はない。
元々女は苦手だ。
少しして、無視し続ける俺を無理だと悟ったのか、諦めがついたらしい女は立ち上がると1人で水道へと向かって行った。
歩くたんびに揺れる黒髪。
ありえないほど長いスカート。
その異様とも言える光景。
初めて見たと言っても過言じゃないくらい、俺の周りにはこんな女がいたことがなかった。
そんな女の背中を、俺は思わず目で追っていた。
本当、変な奴。