君ノ声
これを機にないとは思うが〝そうか〟がイジメられたりしたら、こんな俺だって少なからず責任を感じるから、利用させてもらうからにはそれなりの処置もしておくことにした。
真っ青な顔をしたまま棒立ちする〝そうか〟。
そのビビりっぷりに、思わず噴出してしまいそうになる。
堪えながら俺は言った。
「忘れんなよな」
そう言って、上半身をベットから出して下にある〝そうか〟の鞄を持ち上げる。
それと同時に女はため息を吐いてベットから降りた。
ベットに腰掛けたまま、俺と〝そうか〟の行動を見つめている女。
〝そうか〟はその視線にビビッているようだったが、俺はウザイとしか思えない。
だからと言って下手なことを言って話が長引くのは面倒。
「ほらよ」
機械のように決められていたような台詞を口にし、〝そうか〟に鞄を渡してやった。