君ノ声



俺の言葉を聞いて、〝そうか〟は眉を顰める。



ほら、この表情。



見たことのない愕然とした表情が、俺の好奇心をくすぐる。


もっと見てみたくなる。



だから調子に乗って、頬を指差しながらからかい口調で言ってみた。




「お前もするか?」




もちろん狙っているのは、赤面してはずかしがる顔だ。



見ているこっちが恥ずかしくなるくらいの赤面を見たかった。



いや、見るはずだった。



なのに。





なのに。






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