君ノ声
「はぁ…」
徒歩15分弱で辿り着く学校。
こんな近くに馬鹿な俺でも入れる学校があるなんて有難い。
あまりの暑さとダルさに戻ろうかと本気で迷ったけれど、もう真ん中辺りまで来ているからどっちにしたって変わりはない。
家にいようが学校にいようが、どっちにしろクーラーの中にいられるんだからどっちだって構わない。
また保健室にでもお邪魔になろうと思う。
教室になんていれそうにない。
さらっさら勉強をする気のない俺にとっての教室は地獄だ。
少しでも早くクーラーの中に行きたかったから、俺は少し足を速めた。
歩いても歩いても着かない。
なんて言うのは嘘っぱちだ。
歩けば着く。
当たり前。
それは暑くても同様で。
単に暑さのせいで進む足が遅くなっているから、そう感じるだけなのは分かりきっていることだけど――――…
「はぁ…」
本日何度目か分からないため息を零しながら、ダラダラと学校への道を進んでいく。
足取りは重い。