君ノ声
暑くても暑くても。
本気で溶けそうなくらい暑かったとしても、だ。
一刻も早くクーラーの中へ!
なんて気持ちが再び湧き上がってきた。
だから小走りに変更した。
学校が見えてくれば足取りはもっと速くなる。
正面玄関に回ってから入るのは面倒。
少し遠くにある裏門から入るのも面倒。
そうとなったら強行突破。
フェンスを越えることにした。
まず特に何も入っていない、ペッタンコの鞄を投げ入れる。
そしてフェンスに指をかけると、一気に力を込めて体を持ち上げた。
ひょいっとフェンスを越えると、鞄を拾って保健室の裏扉へと続く道を急ぐ。