メルヘンてぃあら




「……どうして…」


「ほら、皆が部屋に戻ってくる前に」




あぁ、この人は理解してくれる人。味方だ。


少女は強く確信した。




「…ありがとう」


少女は礼を言って庭園へと急いだ。




トクン…ズキン…ズキン…トクン…


規則正しく刻まれる鼓動に潜む、痛み。


少女は走ることなどないと言われたが、走らずにはいられなかった。





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