メルヘンてぃあら



「俺は……女じゃない」


少女は涙を流し告白をした。



「俺は女じゃない…王子がそんな恋出来る訳ないだろ…?」



少女。いや、少年は大粒の涙を零しながら声を絞り出すように、そう王子に問いた。



しかし王子は


「そんなこと…初めから気付いてたよ」


優しげにも切なく微笑んだ。



「な……」


「男だっていい。身分なんて関係ない」



王子はシロツメナグサの冠をそっと少年に授ける。



「俺のたった一人のお姫様だよ」



太陽は金色の少年に恋をした。


「ふっ…臭い台詞」


少年は太陽の腕の中へと飛び込んだ。


金色の髪は、月の光りを浴びキラキラと輝いていた。



真夜中の出来事。
それは優しい恋の始まり。




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