メルヘンてぃあら
城ではそんな話しがあった。
そんな中、城の外には金髪の一人の少女が立っていた。
「すみません…」
門番に入れてもらおうと声をかけている。
「名を名乗れ」
「…名前はありません」
緑の瞳がゆらり揺らめき寂しさを映した。
「今日からこの城でお手伝いとして来る者です」
「そ、そうか…」
門番はその瞳にたじろぐ。
美しい容姿に綺麗な瞳。
人々が心を奪われた。
しかし、少女は暗闇に逃げるように独りでいることを望んだ。
一目に触れぬようにひっそり暮らしていたのだ。