メルヘンてぃあら




「ここは私達の部屋ね。で、次の……どうしたの?」


「え…!?」

「ずっとぼうっとしてる…」


一番の使用人ノエルは温かな笑顔を少女に向けた。


「ごめんなさい…ここはとても優しい場所だから…」


「そうね。王子は争いを好まない人だから…この国の人は皆温かいわ」



「……王子はもう妃がお決まりでいらっしゃるのですか…?」



ノエルは首を横に振った。



「自分で見つけたいらしいわ。…でも、何故そんな事を?」

「…いえ。特に」


「ふふっ。…あら、いけない。御夕食の準備をしなくちゃ」




使用人の一日は忙しくなりそうだ。




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