透明のくれよん
-prologue-
2人で描いた思い出は、とても鮮やかな色だった。

君がいなくなった今、色を失ったくれよんで何が描けるのだろう?

何を描いても増えない思い出に、僕の焦りが増していく。

オレの記憶の中の思い出は、時間が経てば色あせる。

俺達は、わかりあえるまで時間がかかりすぎたんだ。

君と打ち解けていく間にも、君の体は病魔に蝕まれていたんだ。
もっと早く出会えていたら…もっと早く打ち解けていたら…お互いを傷付けあうこともなかったのに。
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