透明のくれよん
story1

出会い

−大地side−

俺達の出会いは高2の夏だった。

『あ゛〜かったりぃ…』

センセーに進路について呼び出しをくらった俺は、廊下をだらだらと歩いていた。

ドンッ!!ドサッ

『ってぇ…』

俺は誰かとぶつかったらしい。幸い、転ばずにすんだが、向こうはそのまま後ろに尻餅をついていた。

「痛ッ…ケホッケホッ」

『大丈夫?顔色悪いぞ?』

俺がぶつかったのはあの、容姿端麗・成績優秀な高校2年にして弓道部部長の桐山漣(キリヤマ レン)だった。

「大丈夫。ごめん、ぶつかって」

『おぅ…。』

会ったことはなかったが、噂は知ってた。初めて会った時の彼女は、人形のように華奢な体で、でも、冷めた目をしていた。
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