バニラ
ミキからの着信は文之の携帯にもあったようだが同じく出ずに過ごした。


そして29日当日…。

葵は文之と二人きりで送別会をすることにしていた。


「葵?今から迎えに行くから。」


「分かった。気を付けて来てね。」


いつもの何気ない会話。

「今日は葵の好きな店予約しといたから。
たくさん食べてたくさん飲むといいよ。」


「うん。ありがとう。」


二人とも店で行われる筈であった送別会の話には全く触れようとしなかった。
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