ヘタカレ王子様。





「……………ん?」




あれ、という

聞き間違えたかな、という



訝し気な声を出した。





「…………もう…言わないから…っ」






私は拗ねたように、夜景に目を向ける。


あわてて戸唖が、




「お…っ

俺の聞いたのが…、
聞き間違えじゃなかったら…っ…」











ゆっくりと、





戸惑いな気配を残して――。


















そっと、




その唇を、重ねた。


















淡い…



温かみが残った…。











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