ヘタカレ王子様。




まわりの視線が

痛いくらいにぶっ刺さる。





みなさん…?

痛いですよ…?





「やだ世奈さん…

なに見栄っ張っちゃってるのぉ…?」




クスクスと、

累がひとりでに笑う。


それを聴いて、私は自分の言動を後悔した…。









しかし一方で、戸唖は輝きに満ちていた。



「世奈…っ!」




尊敬の眼差しを

私に向けてくる。



若干、困る…。





「よくやったよ世奈!

それが常識なんだからっ!


あと……ヒトの彼氏に、手ェ出さないでくれる?

あ・い・だ・る・い・さんっ」





私を後押しするかのように、

優衣が割って入った。


強気な優衣の姿勢に、累の足が一歩後ずさった




「ひっ…

ヒトの彼氏ぃぃ…?」





身長の低い累と、

身長の高い優衣とでは


とても差があった…(哀)





「そうよっ!

よく頭に入れておくのね。


戸唖は、世奈だけのもんなのっっ!!」




教室や廊下にいる生徒から、

「ひゅぅー」という声が上がる。




また表沙汰…。






まあ…


優衣は助けてくれたんだし、
いいよね…






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