ヘタカレ王子様。





ふー、とわたしは息を吐き、



「麻里さん」



声をかけると、一気に潤んでいた瞳が燃えた。


「なによ」って顔。




「今日わたしたち、デートなの。見てわかるでしょ?ね。うんそうね~」



拒否権なし。


無理矢理うなずかせる。







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