ヘタカレ王子様。





いっつも泣きそうな顔して、いっつも縋って来る。




でも、急に凛々しくなったりして、わたしの心を奪ってく。







…意味わかんない。全く。















「はあー…」



「ちょっ、何よ そのハアーは!」




店を出て、戸唖はベンチにわたしを降ろすと溜息をついた





「だって何か、重――あでッッ!!」




全てを言い終える前に、わたしはワンピースを翻らせて戸唖を蹴った。




レディになんてこと言うのよ、目線。






「なんでだよー…」




世奈、訴え視線が失敗したわ。こいつは重症ね。





「…わたしは、無意味に蹴ったりしないわ」






今度は戸唖から「なんでだ」目線。痛い。反らす。見なかったフリ。








< 176 / 237 >

この作品をシェア

pagetop