ヘタカレ王子様。





「えっ…??」





【本文】
<このメールに本文はありません>





「………す、ず、や…」



メールアドレスに

人の名前とみられる英語があった。



すずや。



「うーん…??」




自分のクラスにいる人ではない…


隣のクラス…?





【本文】
どなたですか?




「送信…と」




【Eメール 受信】



【本文】
ヒミツ。

‐‐‐‐END‐‐‐‐

【本文】
私は佐藤世奈です

‐‐‐‐END‐‐‐‐

【本文】
知ってる。

俺の名前は教えない

‐‐‐‐END‐‐‐‐




「なっ…」


なんてイジワルな人だ…



無意識に口をタコにし、

高速な速さでキーを打つ。



【本文】

すずやさんでしょう?

‐‐‐‐END‐‐‐‐


【本文】

どうだろ↓↓


080 〇〇〇〇 〇〇〇〇

電話して↑↑

‐‐‐‐END‐‐‐‐




私は半信半疑で、

云われた通りに電話した






《や。電話してくれたんだ》

「……あなたがしろって…」

《まあそうだけど》



電話の向こうにいる『スズヤくん』は

綺麗な声で笑った




私は不機嫌なまま。


だって…

自分の名を名乗らないなんて…。



「あなた、誰なんですか…」


《楢崎 鈴也(ナラサキ スズヤ)》



意外にもあっさり、楢崎くんは名乗った…





《何?聞かれたから答えたんだけど》


「すっ…すいません…」



《なぁ、俺がなんでメールしたと思う?》


「ゎかんないです…」














《世奈が好きだから》






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