ヘタカレ王子様。
いつもの帰り道を帰っていたはずのわたしは、出てきた霧のせいで、全くわからなくなっていた…。
「うっ」
ミルク色で視界が覆われてる。
「うそーーーーーーーーー!!!」
どこまで走っても、歩いても、立ち止まっても、わたしは霧から出られない
疲れて座り込んだ。
川が流れる音が聴こえてくる、住宅街でも何でもない所。
ミルクの視界の中で、唯一ピンクの花が見えてる。
独りぼっちの、花。
わたしはどうしようもなく、声を押し殺して泣いた。
ごめんなさい神様。
わたしが何かしたから、罰を与えられたのですか?
戸唖と離れたくない。
優衣や藍と離れたくない。
お願いだから、それ意外の罰は受けるから、
わたしから大切な人を奪わないで――。