ヘタカレ王子様。

翌日。

わたしは麻里を絶対に戸唖に近づけない決意をたて、登校した。
戸唖をズルズル引きずって。




「おはよ世奈!…って、どうしたの」

教室に入室すると、バッチリ髪型をセットし、唇にはリップを塗ったわたしを見た優衣が引いた。

「仕方ないでしょ。麻里にはこういう事しないと勝てないの」

真剣な眼差しでまたリップを塗るわたしに、

「わかったわかった。嫉妬って女を変えるのね」
んなっ…

でも反論出来ないから、代わりにわたしは優衣をにらんだ。
「怖い怖い」と言って席に戻っていく


「……負けない。戸唖は、わたしの彼氏なんだから」




そうよ世奈。


あなたは戸唖の1番よ!









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