ヘタカレ王子様。






翌日。




「あ、戸唖」





普通に登校してみれば、最悪な顔をした戸唖が靴箱に居た。




ちょっと迷った後、挨拶くらいしとこう――


そう思った瞬間、





「戸唖く~ん!!
おはよう~!!」




沢田麻里ッッ!!!



なんで戸唖と仲良く挨拶してんすか!!?





前言撤回。


挨拶さえもしてやらないんだから!!





悔しい悔しい悔しい!!!




わたしは、麻里が大人っぽくなったのを、戸唖が見つめているのが悔しくてたまらなかった




何のために…優衣に力を借りたり、藍に相談したりしてたのよ?







全部…



全部…







戸唖が大好きで、ずっと見てもらいたいからだったのに…








< 195 / 237 >

この作品をシェア

pagetop