ヘタカレ王子様。
翌日。
「あ、戸唖」
普通に登校してみれば、最悪な顔をした戸唖が靴箱に居た。
ちょっと迷った後、挨拶くらいしとこう――
そう思った瞬間、
「戸唖く~ん!!
おはよう~!!」
沢田麻里ッッ!!!
なんで戸唖と仲良く挨拶してんすか!!?
前言撤回。
挨拶さえもしてやらないんだから!!
悔しい悔しい悔しい!!!
わたしは、麻里が大人っぽくなったのを、戸唖が見つめているのが悔しくてたまらなかった
何のために…優衣に力を借りたり、藍に相談したりしてたのよ?
全部…
全部…
戸唖が大好きで、ずっと見てもらいたいからだったのに…