ヘタカレ王子様。
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「ぉーい?世奈ぁー?」
気持ちの良い青い空の広がる、昼休み。
私は屋上の柵を、
ぼー、っと眺めていた
「世奈ー!!」
「あっ…」
戸唖の不機嫌な顔と
不機嫌な声で我に返る
「ごっ…ごめんっ…」
「…どうした?
何かあった?」
言えない、と
私の心が叫んだ
私は笑顔でごまかす。
「何にもないよ?
ちょっと気持ち良かっただけ…」
でも内心、
日向などどうでもよかった
私の頭の中で、
無意識に楢崎くんの声が流れていた…