ヘタカレ王子様。
「…え。彼氏は?」
小学校からの付き合い、
彼女は鋭い。
でもよき理解者だと思っている。
「へぇ…なんか不安なんだ」
藍は大雑把にそう結論ずけた
だいたい
合ってたりする
「う…、うん…
まあ、帰り道に…」
藍は全然受け入れた、
ニコニコに戻り
「わかった。いいよー」
夏が近づいているということで、まだ空が青かった
なんとなく雲の形を弄び、
たわいもない会話をする
普通の友達同士の帰り道。
「…なんか、不思議な感覚なの…」
ほとんどを話し終えると、
藍が難しい顔をした
「…………ずばり言うと、……」
「な、…なに…?」
期待は…しない方がいい、と彼女の顔を見て思う
「世奈、
楢崎君が好きでしょ」